身近なデジタル化事例紹介【vol.1】FMPiPi
「デジタル化、デジタルトランスフォーメーション(DX)、言葉は分かるがどうやるの?」
こんな悩みをよくお聞きします。お悩みに応えるため、多治見市内の身近なデジタル化事例をご紹介しお役立ていただこうと考え、取材して参りました!今回は、FM PiPiの愛称でおなじみ、株式会社エフエムたじみの飯田さんに、デジタル化の取組をお聞きしました。
【デジタル化POINT】 紙を減らすつもりが、無駄な業務も減った!?
①読み原稿のペーパーレス化
FMPiPiでは、東濃地域のさまざまな情報をラジオでお届けしています。例えば、市内のお店からのご案内や多治見市からのお知らせなど、内容は様々です。
まず、弊社がご案内やお知らせの情報を受け取ると、読み原稿を作成します。例えば、多治見市提供のお知らせの場合、毎日8:00と18:30の「ニュース763」というコーナーで、パーソナリティが読み原稿を使用します。その読み原稿を、3月までは紙で印刷していました。毎日のことなので、合計すると結構な枚数のコピー紙を使用していました。多治見市提供のお知らせだけでも、少なくとも500枚は月間で使用していたと思います。
現在では、紙の読み原稿を廃止し、iPadで読み原稿のデータを表示するように切り替えています。この取組みでは、原稿を読むパーソナリティの業務は大きく変化しません。事前準備の業務が、大きく効率化される取組みです。作成した読み原稿は、印刷をせずデータのままクラウドに保存をします。そのクラウド上のデータを、パーソナリティがiPadで確認する流れに切り替わっています。そのため、読み原稿を番組ごとに印刷・仕分けをする業務が不要になりました。その結果、印刷コストの削減と事前準備の時間短縮が実現できました。
なお、クラウドの保存にはGoogleドライブを無料の範囲で使用しています。そのため、継続して費用は掛かっておらず、iPadの購入費用のみで実現できました。
②スタジオ予約のデジタル管理
もう一つ、スタジオの予約管理もデジタル化しました。こちらは費用を掛けずに、無料で実現できました。
FMPiPiには、スタジオが2つあります。そのスタジオを、生放送や番組収録・リハーサルなどに使用しています。当然、利用時間が被ってはいけないので、紙の予定表を掲示して管理していました。
スタジオの予約は、社員だけでなく各番組を受け持つパーソナリティも行います。スタジオ予約を押さえるために、紙のスタジオ予約表に書きに出社したり、出先での打合せの最中に電話をして予約を押さえたりすることが多くありました。また、スタジオ2つ分の予約表を1日1枚分、向こう半年分用意していたため、管理業務もかなり煩雑でした。
今では、紙での管理からカレンダー共有アプリ「TimeTree」に切り替えたことで、業務の煩雑さが解消されました。改善された点は、管理表の紙を用意する業務がなくなったことと、事務所に居なくてもスタジオの予約状況の確認と予約ができるようになったことです。多数いるパーソナリティが、いつでもどこからでもスタジオの予約と確認ができるようになり、とても円滑に運営が進むようになりました。
なお、TimeTreeの無料サービスの範囲で利用できていて、アプリはそれぞれのスマホから利用できるので、費用を掛けずに切り替えることができました。
取組みを実施して…
新しいことをする際には、不安はつきものだと思います。私達も、「うまく馴染むだろうか」「いきなり切り替えて大丈夫か、部分的に切り替えるか」など、悩みは多かったです。弊社の場合は、社員だけでなく外部のパーソナリティも業務に関与します。いろいろな人が関与する場合は、新たな取組を行う際に心配事が尽きません。ラジオのパーソナリティは、年代も個性も多様ですから(笑)
結局は、思い切ってガラっと変えてみました。なんだかんだ上手く行っています。仕事の効率も良くなりました。不安に思ったことも多かったですが、何事も取り組んでみるものだと思っています。
特殊な業界ですが、今回の取組みは他業界でも応用できる部分があると思います。参考にしていただけたら嬉しく思います。今後ともFMPiPiをよろしくお願いします。
多治見商工会議所では、これからデジタル化を始めたい企業を募集しています。デジタル化の効用は、ムダがなくなること・業務の効率が良くなること・サービスの質が上がること、など様々なことが想定できます。商工会議所と共に、デジタル化の検討を始めましょう。
(取材・執筆 多治見商工会議所 木次(コツギ))
取材先【株式会社エフエムたじみ〈FM PiPi〉】
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