町の鉄工所から生まれた新工法「囲柱ラーメン木構造」有限会社ライン工業

囲柱ラーメン木構造 

町の鉄工所から生まれた新工法 「囲柱ラーメン木構造」

有限会社ライン工業は1984年創業の鉄工所です。
この度、木造建築の分野に進出し、新しい構造体「囲柱ラーメン木構造」を発案し実用化しました。今回は、代表取締役社長の瀧本 実さんにお話を伺いました。

 

囲柱ラーメン木構造とは

一般流通スケールのヒノキ汎用製材4本を専用金型で締結し、組柱とした強靭な「囲柱」と剛梁で、耐力壁に頼らない木質ラーメンを形成したものです。
※ラーメンとは構造形式のひとつで、長方形に組まれた骨組み(部材)の各接合箇所を剛接合したものをいう。

囲柱ラーメン木構造

「囲柱ラーメン木構造」はこうして生まれた

瀧本さんは、2008年にゼネコンを辞め、㈲ライン工業に入社するまでに半年ほど時間を貰い一級建築士の勉強をしていました。その際に木材の良さを知り、有効活用したいと思うようになりました。
その後、景色が見渡せる大開口やパーティーができる大空間を取り入れた二世帯住宅を設計する機会がありました。瀧本さんは木造で取り組みましたが、従来の工法では、壁や柱が多くなってしまうため、大開口や大空間を実現することができませんでした。
瀧本さんは他の材料・材質の構造体を参考にして、大開口や大空間を木造で実現できないかと試行錯誤しました。そこで注目したのは、ゼネコン時に多く手掛けてきた鉄骨造りや鉄筋コンクリート造りの構造体「ラーメン構造」です。「ラーメン構造」はしっかりとした柱を立てることで壁を省いた大きな空間を自由に使える構造体です。この工法を木造に取り入れることに可能性を感じた瀧本さんはすぐに動きました。
木造に鉄骨造りや鉄筋コンクリート造りの工法を取り入れることは前例がなく、ゼロからのスタートでした。大学教授など多くの人の協力を得て、話し合い、良し悪しを取捨選択しながら、少しずつ実用化を進めました。
その結果、4本の木材を束にして梁を挟み込むことで剛接合に近い形で柱を伸ばし、貫通している梁も連続することができる工法を生み出しました。この工法が「囲柱ラーメン木構造」です。
この工法によりホテルのような大開口・大空間の建物を木造で実現できるようになりました。発案から13年が経ち、今では「囲柱ラーメン木構造」は2階建てなど「積層」が可能となりました。

有限会社ライン工業 代表取締役社長 瀧本実囲柱ラーメン木構造 

 

 

 

 

 

 

 

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