「品質・ミスゼロ 追求の手法とは」太陽社電気株式会社御嵩工場 DX視察レポート

太陽社電気㈱DX視察レポート1

多治見商工会議所では、先進的なDX・デジタル技術活用の取組みを学ぶ視察事業を実施しています。その初回として、8月30日に太陽社電気株式会社御嵩工場の視察を行いました。今回は、その視察の様子と、太陽社電気㈱で行われている取組みについてご紹介します。

視察先企業紹介:太陽社電気株式会社

太陽社電気株式会社は電子機器の主要部品、固定抵抗器の専門メーカーです。社是「質を尊び量を次とし労を積み大成す」のもとに、品質最優先を徹底し、耐硫化固定抵抗器をはじめとした高信頼性の抵抗器部品を、国内・外の有力セットメーカーに安定供給しています。
当社製品の主な利用用途は、自動車です。
自動車は、電動化に伴い電子機器の搭載数が大幅に増加しました。限られたスペースに多くの電子機器を搭載する必要があり、当社製品の納入先であるメーカーは、製品の小型化が求められています。
また、自動車は人命に大きく関わるものであるため、自動車業界は製品不良にとりわけ厳しい業界です。そのため、各種部品についても、製品不良につながるようなミスに対する追及は厳しく行われます。製品の納入ミス・品質不良などのミス件数は、ゼロであることが求められます。
このような業界動向から、太陽社電気株式会社では、製品の小型化を始めとした品質の追求、ミス0の徹底、の2点に徹底して取り組まれています。

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太陽社電気㈱視察レポート ポイント① 品質の追求

固定抵抗器に求められる品質は様々ですが、今回の視察では小型化にまつわる製造工程を見学しました。小型化の追求には、機械化・自動化が必要不可欠とのことでした。
小型品は、電子機器基板の回路に利用がされるような、1005サイズと言われる1.0mm×0.5mmの製品です。そのとても小さな製品は、とても薄いアルミナの基板に複数の被膜・電極が施されています。小型化を追求される中で、とても人の目や手では対応しきれない、という壁にぶつかったそうです。度重なる試行錯誤の上、センサーカメラや自動装置等を用いて、その壁を突破されました。

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太陽社電気㈱視察レポート ポイント② ミスゼロの追求

ミス0を実現するために、製品の製造から出荷までに幾重ものチェックがされていました。そのチェックは、人・機械のどちらでもなされています。
太陽社電気では、各製品に自社管理の製品バーコードと客先管理バーコードを付して管理されています。製品に客先管理バーコードを貼り付ける際には、指示書に記載されたバーコードと製品バーコードを読み取り、一致した場合にしか客先管理バーコードのシールが発行されない仕組みにすることで、貼り間違いを防いでいます。製品在庫の保管棚には棚位置別にバーコードが付されており、保管場所間違いを防いでいます。出荷時には、ピッキングのミスを防ぐために人・機械により何重にもチェックをしています。
このように、徹底してミス0を追求されています。その仕組みのなかには、人の手が介在していますが、それ以上に機械・システムが介在し、人のミスを防ぐ役割を果たしていました。

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資金が必要なこと、資金がなくてもできること

今回の太陽社電気㈱御嵩工場で拝見した設備・システムには、多大な投資がされています。設備・システム導入の経緯をお伺いし、製品に求められる品質やミス0を実現するために、必要な投資であるか十分に精査をされた上での取組みであると感じました。また、設備・システム導入のみでなく、各業務を行う上でのルール決めや徹底、教育などにも尽力されていました。
今回の視察は、DX・デジタル技術活用の先進事例を見学する取組みではありましたが、それに固執する必要はなく、追求の手を止めなかった太陽社電気の企業姿勢こそ見習うべきだと考えられます。例えば、ミス防止の対応策についてまずは製品別のロケーション管理から行うなど、DXにこだわらず投資を抑えた方法は検討できるでしょう。

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DX・デジタル技術活用の相談は多治見商工会議所まで

今回は、太陽社電気㈱御嵩工場での取組みをご紹介しました。太陽社電気㈱の、品質やミス0を追求されている企業姿勢を参考に、事業にお役立ていただければ幸いです。
多治見商工会議所では、デジタル化・業務効率化などに取り組まれる事業者の支援をしております。新たに取り組まれたいこと、お悩みございましたら、ぜひ多治見商工会議所までご連絡ください。

取材先

太陽社電気株式会社
〒507-8523 岐阜県多治見市小田町6-1
TEL (0572)23-8111
FAX (0572)23-4325
https://www.taiyoshadenki.co.jp/ja/

執筆担当

多治見商工会議所 経営支援員 木次(コツギ)